ピラティスのロールアップができない原因と直し方|正しいやり方とコツを徹底解説【2026年最新】

仰向けから息を吐きながら背骨を一つずつ丸めて起き上がる「ロールアップ」。ピラティスのマットエクササイズの中でも代表格の動きですが、実際にやってみると腕の反動を使わないと起き上がれなかったり、途中の中腰あたりで止まってしまったり、膝が勝手に曲がってしまったりと、思い通りにいかない人がとても多い種目でもあります。私自身、レッスンに通い始めた最初の数ヶ月は反動なしでは絶対に起き上がれず、インストラクターから「腹筋の力技というより、背骨を一つずつ動かす感覚をつかむ動き」と言われて、ようやく動きの質が変わりました。
この記事では、ロールアップの正しい手順、できない原因を3つに整理した上での対策、練習の順番、続けることで得られる効果、そしてよくある疑問への回答までを、実践ベースでまとめています。
ロールアップとはどんなエクササイズか
ロールアップは、仰向けの状態から脚を伸ばしたまま上体を丸めて起き上がり、また背骨を丸めながら仰向けに戻る、ピラティスの代表的なマット系エクササイズです。ピラティスの基礎プログラムでは必ずと言っていいほど登場する種目で、いわゆる「腹筋運動」の延長のように見えますが、実際は腹筋の力だけで体を持ち上げる動きではありません。
海外のピラティス専門メディアOutput by Peloton(出典)では、ロールアップは「体幹の中でも鍛えにくい腹直筋と深層の腹横筋を強化する」動きだと説明されています。加えてハムストリングスの柔軟性向上や、胸椎・腰椎まわりの背骨の可動域を広げる効果も期待できるとされています。つまりロールアップは、腹筋運動というより「腹部の力を使って背骨を一つずつコントロールしながら動かす」種目だと捉えるのが正確です。
見た目はただ起き上がって戻るだけのシンプルな動きですが、
- 腹部の深層筋を使い続ける「持続的な筋力」
- 背骨を一つずつ動かす「分節的な柔軟性」
- 反動に頼らない「動きのコントロール」
という3つの要素が同時に求められるため、ピラティス経験者の間でも「簡単そうに見えて実は難しい種目」の代表として語られることが多いです。マット、リフォーマーどちらのレッスンでもウォームアップや基礎パートで扱われることが多いので、初心者が最初につまずきやすい動きでもあります。
グループレッスンでは、インストラクターが「腹筋運動だと思ってやらないでください」と声をかける場面をよく見かけます。これは、腹筋運動だと思って力任せに起き上がろうとすると、反動や腕の力に頼ってしまい、本来鍛えたい深層の筋肉に効かせられなくなるからです。ロールアップを「腹筋を割るための種目」ではなく「背骨の使い方を練習する種目」だと捉え直すだけで、動きの質が変わってくる人も少なくありません。
正しいやり方:手順を6ステップで確認する
自己流でなんとなく起き上がっている人は、まず手順を分解して確認してみてください。
- マットに仰向けになり、脚は腰幅でまっすぐ伸ばす。腕は頭の先まで伸ばし、手のひらを向かい合わせにして二の腕を耳の横にキープする
- 息を吐きながら、腕を天井方向へ持ち上げていく
- 顎を軽く引きながら頭、首、肩の順に背骨を一つずつマットから離していく。この時、腹部を薄くへこませる意識を保つ
- 座った姿勢まで起き上がったら、指先をつま先の方向へ伸ばす。背中は丸めた「Cカーブ」を保ったまま、勢いで起き上がらない
- 再び息を吐きながら骨盤を後傾させ、背骨を一つずつ順番にマットへ戻していく
- 仰向けに戻ったら呼吸を整え、次のレップに移る
ポイントは、上体を起こす動作も戻す動作も「反動」ではなく「呼吸と背骨の分節運動(セグメンタルムーブメント)」で行うことです。慣れないうちはこの分解した手順を一つずつ声に出しながら確認すると、どこで力みが入っているかが見つけやすくなります。
回数の目安については、最初から何十回もこなす必要はありません。フォームが崩れない範囲で3〜5回、それを2〜3セット行えば十分な負荷になります。回数をこなすことよりも、1回1回を反動なしで丁寧に行うほうが、上達のスピードは早くなります。
ロールアップができない3つの原因
ピラティススタジオが公開しているコラム(bb-pilates公式)でも、ロールアップがうまくいかない原因は主に次の3つに整理されています。
1. 背骨(特に腰椎まわり)の柔軟性不足
背骨を一つずつ順番に動かす「セグメンタルムーブメント」がうまくできないと、動作全体がぎこちなくなります。同コラムでは「腰椎が硬いと、背骨を一つずつ丸めて動かすことが妨げられ、ロールアップの途中で動きが止まったり、腰や首に余計な負担がかかる」と説明されています。上体を起こす途中の中腰あたりでピタッと止まってしまう人は、このパターンに当てはまることが多いです。デスクワークが多く座りっぱなしの生活を送っている人は、腰椎まわりが硬くなりやすいので特に注意が必要です。
2. 腹筋(特に下腹部)の弱さ
起き上がる際に脚やつま先が浮いてしまう人は、下腹部の力が足りていないサインです。Output by Pelotonの解説でも「脚が浮いてしまうのは下腹部の弱さ、股関節屈筋群の硬さ、あるいはその両方が原因」とされています。脚を押さえてもらわないと起き上がれない、という人はこのタイプに当てはまっている可能性が高いです。
3. 反動を使ってしまう癖
勢いをつけて一気に起き上がろうとすると、腹筋ではなく反動と腕の力に頼る動きになり、いつまで経っても腹筋主導の動きが身につきません。反動を使えば「起き上がる」こと自体はできてしまうため、本人は気づかないまま何ヶ月もこの癖を続けてしまうケースも珍しくありません。
できないときの練習法とコツ
原因が分かれば、対策はシンプルです。焦らず順番に取り組んでいきましょう。
- 膝を曲げたロールアップから始める:脚を伸ばしたまま行うのが正式なフォームですが、腹筋が育つまでは膝を軽く曲げて負荷を落とした状態で分節運動の感覚を先に覚えるのが近道です。慣れてきたら片脚ずつ伸ばしていき、最終的に両脚を伸ばした状態に近づけていきます
- キャット&カウなどで背骨を先にほぐす:ロールアップの前に背骨を丸める・反らす動きを行っておくと、途中で止まりにくくなります。特に朝いちばんで体が硬い時間帯に練習する場合は、このウォームアップを省略しないほうがいいです
- 肩と顎の力みを抜く:「肩は横に広く、下げたまま。腕は柔らかく」という意識を持つと、首や肩に余計な力が入りにくくなります。起き上がる時に顎が上がってしまう人は、力みが首に逃げているサインです
- 呼吸を動きと連動させる:起き上がるときも戻るときも、息を吐き切るタイミングと背骨の動きを合わせることで、反動に頼らずコントロールしやすくなります。息を止めたまま起き上がろうとすると、余計な力みが入りやすくなるので注意してください
- タオルやベルトを足裏に引っかけて補助する:下腹部の力だけではまだ起き上がれない段階では、足裏にタオルをかけて軽く引きながら起き上がる練習も有効です。補助があることで、反動を使わずに背骨を動かす感覚だけを先に覚えられます
- 鏡やスマホの動画で横から確認する:自分では反動を使っている自覚がないまま何ヶ月も練習を続けてしまうケースは珍しくありません。横からの動画を一度撮ってみると、起き上がる瞬間に肘が曲がっていないか、勢いをつけていないかが客観的に分かります
急いで綺麗な形を目指すより、まずは「反動なしで、途中で止まらずに戻ってこられる」ことを目標にするほうが、結果的に上達が早いです。
さらに練習の順番として、いきなり仰向けから起き上がるロールアップより先に、座った状態から後ろへ倒れていく「ロールダウン」を先に練習しておくのもおすすめです。座位からスタートするロールダウンは重力の影響を受けにくく、背骨を一つずつ動かす感覚をつかみやすいので、ロールアップの土台作りとして取り入れているスタジオも多くあります。壁を背にして座り、壁から少しずつ背中を離していく練習も、腹筋にどのタイミングで力を入れるべきかを覚えるのに役立ちます。
続けることで得られる効果
ロールアップは腹直筋・腹横筋を中心とした体幹の強化に加えて、背骨を大きく動かすことで胸椎・腰椎の可動域を広げる効果があります。デスクワークで背中が丸まりがちな人ほど、この可動域の変化を実感しやすい種目です。体幹が使えるようになると姿勢が安定し、反り腰や腰の張りが軽減されるケースもよく聞きます。
また、股関節屈筋群やハムストリングスの柔軟性向上にもつながるため、前屈の可動域が広がったと感じる人も多い種目です。呼吸と動きを連動させる練習にもなるので、他のピラティス種目(ハンドレッドやティーザーなど、より腹筋の持久力を要する動き)への準備運動としても位置付けられています。
実際に効果を感じやすいのは、姿勢の変化です。長時間のデスクワークで背中が丸まったまま固まっている人は、背骨を大きく動かす機会自体が日常生活の中でほとんどありません。ロールアップを継続的に行うことで、普段動かさない胸椎・腰椎の可動域が少しずつ戻り、座っている時の背中の丸まり方が変わってきたと感じる人は多くいます。腹筋の見た目の変化よりも先に、こうした姿勢の変化のほうが体感しやすいという声もよく聞きます。
継続する期間の目安については、ピラティス月4回で効果はある?頻度別の変化と実感までの期間を徹底解説でも詳しく書いているので、あわせて参考にしてください。
なお、ロールアップは腹筋運動ではありますが、いわゆる筋トレの腹筋(クランチ)とは狙いが異なります。反動を使わずに背骨を一つずつ動かすインナーマッスル主導の動きなので、筋トレの延長として捉えると力任せになりやすい点は要注意です。この違いについては筋トレやめてピラティスは正解?科学的データで見る効果の違いでも触れています。
よくある疑問
ロールアップができるようになるまでどれくらいかかる? 個人差が大きいですが、週2〜3回のペースで膝を曲げたバージョンから練習を積めば、1〜2ヶ月ほどで反動なしの動きに近づいてくる人が多い印象です。もともと体幹の筋力がある人はもっと早く、逆に腰椎まわりが硬い人や運動習慣がなかった人は半年ほどかかることもあります。焦らず「先週より少し滑らかになった」という変化を積み重ねていく種目だと捉えてください。
毎日やってもいい? フォームが崩れない範囲であれば毎日行っても問題ありません。ただし反動を使ったまま回数だけ重ねると、腰や首に負担がかかる癖が定着してしまうリスクがあります。毎日やるなら「今日は反動なしでできたか」を都度チェックしながら行うことをおすすめします。週に何日かは背骨まわりのストレッチだけの日を作り、筋肉と関節を休ませる日を意識的に挟むのも、長く続けるコツの一つです。
腹筋(クランチ)を鍛える動きとどう違う? クランチが上体を小さく丸めて腹直筋の収縮に集中する動きなのに対して、ロールアップは背骨全体を大きく動かしながら、腹筋の力で「起き上がる・戻る」という一連の動作をコントロールする種目です。可動域が大きい分、腹筋の筋力だけでなく背骨の柔軟性や動きのコントロール力も同時に求められます。
反り腰でもロールアップはできる? 反り腰の傾向がある人は、起き上がる瞬間や仰向けに戻る瞬間に腰が反りやすいため、最初は膝を曲げたバージョンで、腰椎をマットに軽く押し付ける意識を持ちながら練習するのが安全です。腰に痛みや違和感がある場合は、無理に伸ばした脚のバージョンへ進まず、インストラクターに相談しながら段階を踏んでください。
マットが硬くて背骨が痛い場合はどうすればいい? 薄いヨガマットの上で行うと、背骨の一つ一つが床に当たって痛みを感じることがあります。この場合は、厚手のピラティスマットに変える、あるいはタオルを一枚敷いて緩衝材代わりにするだけでも、痛みを気にせずフォームの練習に集中しやすくなります。痛みをかばって浅い動きになってしまうと、せっかくの練習効果が半減してしまうので、道具側で解決できる部分は先に整えておくのがおすすめです。
片方の肩や首だけ痛くなるのはなぜ? 左右どちらかの肩や首だけに痛みや張りが出る場合、起き上がる際に体が左右どちらかに捻れている可能性があります。多くの人は利き手側の腕の力に頼りやすく、気づかないうちに体が斜めに起き上がっていることがあります。動画で正面から撮影してみて、起き上がる軌道がまっすぐになっているかを確認してみてください。
こんな時は無理をしない:注意が必要なケース
腰痛が既にある人や、産後間もない人、椎間板ヘルニアなどの既往がある人は、ロールアップを自己判断で行うのは避けたほうが安全です。背骨を大きく丸める動きは腰への負荷がかかりやすいため、体調に不安がある場合は、自主練習の前に医師やインストラクターに相談してから取り入れるかどうかを判断してください。痛みを感じながら回数を重ねるのは、上達ではなくケガのリスクを高める行為になってしまいます。
産後の骨盤底筋や腹直筋離開(お腹の真ん中の筋肉が広がった状態)が気になる人も、通常のロールアップよりも負荷の軽いバージョンから始めるべきケースに当てはまります。自己判断で通常のフォームに挑戦する前に、産後ピラティスを扱っているスタジオや医療機関に相談し、いまの自分の体の状態に合った負荷から始めることをおすすめします。
一人で伸び悩んだら:スタジオでフォームを見てもらう
ロールアップは動画や本を見ながら自主練習もできますが、背骨の柔軟性不足なのか、腹筋の弱さなのか、反動癖なのかは、自分では意外と判断がつきにくいものです。bb-pilates公式コラムでも「プロインストラクターのレッスン受講で、個々の課題に応じたアドバイスが得られる」と紹介されている通り、フォームを横から見てもらうだけで、原因がその場で分かることも多くあります。
zen place pilatesはマットレッスンとマシンレッスンの両方を扱っていて、体験レッスンから始められるので、独学で伸び悩んでいる人がフォームチェックの場として利用するのにも向いています。マシンを使ったレッスンでは、リフォーマーのスプリングの補助を借りながらロールアップに近い動きを練習できるプログラムもあり、マットだけではまだ起き上がれない人が「起き上がる感覚」を先につかむ手段としても使われています。ちなみにレッスンに通う際の服装で迷っている場合は、ピラティスウェア初心者ガイドも参考にしてみてください。
実践後のセルフケアと注意点
ロールアップは腹部の深層筋にしっかり負荷がかかるため、慣れないうちは翌日に筋肉痛が出ることがあります。運動後は軽いストレッチと水分補給を行い、腰に張りを感じる場合は無理に回数を重ねず、膝を曲げたバージョンに戻して様子を見てください。特に腰痛持ちの人は、痛みが出た状態で反動を使って続けると悪化させる可能性があるため、違和感がある日は種目自体を休むという判断も必要です。筋肉痛が2〜3日以上続く、あるいは鋭い痛みがある場合は、単なる筋肉痛ではない可能性もあるので、無理に続けずインストラクターや医師に相談してください。
運動後のクールダウンとしては、仰向けで両膝を抱えて背中を軽く丸めるストレッチや、うつ伏せから上体をゆっくり反らすストレッチが効果的です。前者は使った腹筋と背骨をリラックスさせ、後者は丸めた背骨を逆方向にゆっくり伸ばすことで、翌日の張りを軽減しやすくなります。運動直後だけでなく、就寝前にもう一度軽くストレッチを行うと、筋肉痛が出るタイミングを穏やかにできることもあります。
まとめ
ロールアップが上手くいかない背景には、背骨の柔軟性不足・腹筋の弱さ・反動に頼る癖という、だいたい3つの原因があります。手順を分解して確認し、膝を曲げたバージョンや呼吸との連動から練習を積み重ねれば、反動なしで起き上がれる日は着実に近づいてきます。
大切なのは、できない自分を責めることではなく、今どの原因でつまずいているのかを一つずつ切り分けていくことです。反動を使わずに起き上がれた瞬間は、思っている以上にはっきりと体感として分かるはずです。柔軟性が足りないのか、腹筋の力が足りないのか、それとも癖として反動を使ってしまっているのか。原因が分かれば、対策はこの記事で紹介した練習法の中から選べます。それでも伸び悩む場合は、一人で抱え込まずスタジオでインストラクターにフォームを見てもらうのも近道です。自分では気づけなかった癖を指摘してもらえるだけで、練習の方向性が一気にはっきりすることも多いです。将来的にこうした基礎エクササイズを体系的に学んで人に教える側を目指したくなったら、ピラティスインストラクター資格取得の選び方もあわせてチェックしてみてください。
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最終更新: 2026-09-04|当サイトはアフィリエイト広告を利用しています





